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2003年1・2月号 Vol.49
P1   ■巻頭コラム&PHOTO
P2−3 ■NPO法改正Q&A 〜どこが変わった?どう変わった?〜
P4   ■専門家をNPOに呼び込もう! 〜NPO経営・起業コンサルタント養成塾報告〜
P5   ■使える掲示板:電子メール活動術をレベルアップ〜圧縮・解凍ソフトの使い方〜
P6   ■ニューヨークのNPO事情5:グローバル・アクション・オン・エイジング
P7   ■PlanetVoice Vol.19:佐藤正さん〜(特活)長寿社会システム研究機構・代表理事〜
P8   ■事務局だより
 
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巻頭特集:NPO法改正Q&A 〜どこが変わった?どう変わった?〜

 

昨年12月、NPO法改正案が可決しました。今年5月1日から施行されます。急展開の感もある今回の改正。その経緯と主な改正点をリポートします。

■改正の経緯は?
NPO法はその附則において、施行日(平成10年12月)から3年以内に検討を加え必要な措置が講ぜられるものとされていました。このため、施行後の実態を踏まえ、平成14年3月には、超党派の議員連盟で改正案・要綱が作成され、各党で検討されていましたが、その後に起こった政治疑惑で中心議員が次々と議員辞職したため、いつ再開されるかはっきり分からない状況でした。しかし、NPO法改正案が突然に平成14年12月4日に衆議院に提出され、同月11日に成立、本年5月1日から施行される運びとなりました。

■主な変更点は?
まず、12項目を更に広げるべきとの考えを受け、新たな分野が追加されました。また、認証手続きでの提出書類をもっと簡素にすべきであるとの声から、統合できる書類が統合され、不要と思われる書類が廃止されました。その簡素化の一方で、NPO法人の健全な発展を図るためには暴力団を排除するための措置を強化する等の必要があるとして、その観点での認証基準の強化、欠格事由の追加、所轄庁と警察庁等との意見交換を密にする制度が導入されました。これ以外にも、NPO法人の運営実態をふまえて改善が求められた部分に手が加えられています。

■新たに加わった分野とは?
NPO法人の要件たる特定非営利活動の別表について、その第4号に「学術」が加わり、「学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動」となりました。そして新たに、情報化社会の発展を図る活動(12号)、科学技術の振興を図る活動(13号)、経済活動の活性化を図る活動(14号)、職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動(15号)、消費者の保護を図る活動(16号)の5項目が増えました。

■「その他の事業」が明確化されましたが、具体的には?
特定非営利活動に係る事業(本来事業)に支障がない限り、それ以外の「その他の事業」を行うことができるものと明記されました。この場合に収益を生じたときは、これを本来事業のために使用しなければならず、また、その会計は、本来事業の会計から区分し、特別の会計として経理しなければならない旨も明記されました。なお、現在、収益事業以外のその他の事業を行っている法人については、この改正規定は、施行後1年間は適用を猶予されています。

■認証申請書類は少なくなりましたね?
設立と合併の際の認証申請書添付書類の一部が次の通り簡素化されました。なお、施行日までに認証申請をした場合の添付書類は従前どおりです。
イ) 「役員名簿」と「役員のうち報酬を受ける者の名簿」を統合して「役員名簿」とし、 「各役員の宣誓書の謄本」と「各役員の就任承諾書」を統合して、これを一つの書類にまとめることになりました。
ロ) 「設立者名簿」「設立当初の財産目録」「設立当初の事業年度を記載した書面」の3点は添付しなくてよいこととなりました。

■定款変更時の提出書類は増えたそうですが…?
事業の変更を伴う定款の変更を行う場合には、定款変更認証申請書に添付する書類として、定款変更日の属する事業年度及び翌事業年度の事業計画書及び収支予算書が追加されました。

■定款記載事項も追加されましたね?
申請書類の省略に伴い、定款の絶対的記載事項として、「事業年度」が追加されました。また、「その他の事業」を行う場合は、それに関する事項を記載することになりました。

■暴力団排除措置の強化とは?
(1)設立及び合併の認証の基準が強化され、「暴力団の構成員でなくなった日から五年を経過しない者の統制の下にある団体でないこと」が新たに加わりました。
(2)役員の欠格事由が追加され、「暴力団の構成員又は暴力団の構成員でなくなった日から五年を経過しない者」が新たに加わりました。
(3)所轄庁は、暴力団等である疑いがあると認めるときは、警察庁長官や警察本部長等の意見を聴くことができ、また、警察庁長官や警察本部長は、これら事由の存在があると疑うに足りる相当な理由があるため、所轄庁が法人に対して適当な措置を採ることが必要であると認めるときは、所轄庁に対し、その旨の意見を述べることができるとの規定が新たに設けられました。

■後任役員が決まっていない場合の前任者の任期延長については、規定されましたか?
NPO法人の運営実態にあわせ、定款で役員を社員総会で選任することとしている法人にあっては、定款により、後任の役員が選任されていない場合に限り、定款で定められた任期の末日後最初の社員総会が終結するまでその任期を伸長することができるようになりました。

■その他、主な変更は?
予算準拠の規定が削除され、課税の特例規定の追加、虚偽報告・検査忌避等に対する罰則規定の新設がされました。

■なぜ予算準拠主義でなくなったのですか?
NPO法人では特定非営利活動またはその他の事業が多種多様にわたっており、たとえば「資金獲得型」「独立採算型」の活動では予算に縛られると動きがとりにくくかえって活動を阻害する側面があることから、この規定を削除する改正がなされたと考えられます。

■説明責任との関連は、どう考えればいいのでしょうか?
今回の改正後において注意すべき点は、改正によって、会費、寄付金、補助金といった資金の提供者に対しての説明責任は変わらないということです。従って法律上義務づけられているかどうかにかかわらず、特に「資金消費型」の活動においては予算の作成と結果報告が必要と思われますが、それを行うかどうかはそのような手続きや情報開示が法人の将来も含めたミッション遂行のために役立つか否かという観点から各法人が決定することになります。

■企業会計に近くなったということですか?
そう言えますが、まったく同じになったわけではありません。日本における典型的な非営利会計では、収入に限りがあるので資金の収支が重要と考えて資金の出入りの報告を収支計算書で行っています。その場合には場当たり的な資金の使用にならないように予算を事前に計画するということが行われています。一方、企業会計では予算書を作成しないで、資金ではなく正味財産の増減理由を説明した損益計算書が作成されています。
今回の改正は、予算書は作成しなくてよいのに資金の出入りは重要であるとして、損益計算書ではなく収支計算書を作成するというたすきがけになっている点が、特異な点です。

■所轄庁への予算書の提出は従来どおり必要ですか?
法律上は、設立時と定款変更時に所轄庁に対して予算書の提出が義務づけられていますので、予算書についての規定が全く無くなったのではありません。ただし、ここで作成される予算書は準拠義務がありませんので事業計画を補足する単なる説明ということになります。

■法改正と並んで認定NPO法人制度も改正されましたが、認定要件はどのぐらい緩和されましたか?
 まず認定を受けるための要件のうち最もハードルが高かったいわゆるパブリックサポートテスト(総収入金額のうちに寄附金総額の占める割合が3分の1以上であること)に関して、その割合が5分の1以上となる他、寄附金総額から除外する少額寄附金の額が3千円から千円に、一者からの寄附金等について寄附金総額に算入できない金額が寄附金総額の2%から5%になった他、一定の国際機関からの委託事業費や補助金の額については総収入金額に含めないでよいことになります。
 また地域密着型のNPO法人が認定を受けるのにネックになっていた特定非営利活動が複数の市区町村で行われていること等の活動等の範囲に関する要件が削除されます。
 このほか海外への送金又は金銭の持出しを行う場合の国税庁への事前届け出等の要件が緩和されます。

■みなし寄附金規定も適用されるようになるのですね?
認定NPO法人がその収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出した金額については、その収益事業に係る寄附金の額とみなすとともに、寄附金の損金算入限度額を所得の金額の20%とすることとされ、みなし寄附金の規定が認定NPO法人にも適用されることになります。

回答:弁護士/三木秀夫、公認会計士/中務裕之、公認会計士/荒木康弘、税理士/長井庸子

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