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ニューヨークには何万というNPOがあるが、そのすべてが大きな事業をしている訳ではない。中には吹けば飛びそうなNPOも多い。私がお手伝いしているNPOの中で、国連ビルの中にオフィスを構える国際的なNGOではあるが、外見とは違って全くの零細企業といった小さな規模のNPOがある。今回はそのNPO、グローバル・アクション・オン・エイジング(Global
Action on Aging)を紹介しよう。
グローバル・アクション・オン・エイジングは、1994年の設立以来、国連ビルにオフィスを構え、代表のスザンヌ・ポールが世界中からインターン(研修生)だけを受け入れる、国際インターンシステムで運営している。インターンには、謝礼どころか、交通費さえ支給しない。しかし、国連という立地条件は常に若いインターンにとって魅力的であり、インターンのポストは人気が高い。
グローバル・アクション・オン・エイジングのユニークな点は、アメリカで高齢化問題をグローバルな視点からアプローチしてきたNGOとしてフロンティア的な存在となっていることである。
グローバル・アクション・オン・エイジングのミッションは、グローバルなグラスルーツの市民団体として、高齢者問題を課題として取り組むこと。とくに、グローバル・エコノミーにおける高齢者のニーズや可能性についてレポートを作成し、世界の高齢者支援を活動の理念としている。特に、国連ビルという立地条件から、国連の高齢化に関する活動にも参加し、世界中のNGO活動のネットワーク促進に貢献してきた。
毎週のように発表されるグローバル・アクション・オン・エイジングのレポートは、『高齢者権利』、『高齢者の医療』『年金ウォッチ』、『地域の高齢化』という4つのプロジェクトからなり、ニュースレターとしてメールで送信される。個々のプロジェクトをアメリカ国内か国外のものに分類し、すでに発表された世界中の高齢化に関するニュースを集め、レポートを形成している。先進国で扱われるニュースで最も多いのは年金で、常に年金財政が緊縮化、年金の民営化問題が重要課題となっている。
国連活動に関しては、グローバル・アクション・オン・エイジングは、設立以来、1995年の国連国際北京会議、カイロ会議、コペンハーゲン会議で共同主催者をつとめた。1999年の「国連-国際高齢者年」のカンファレンスでは、「高齢化に関するNGO委員会」とともに重要な役割を果たしている。

活動内容は以上のようであるが、グローバル・アクション・オン・エイジングの運営についてもう少し詳しく説明しよう。このNGOは、実は単体では法人格をもっていない。アメリカでスポンサーシップと呼ばれる形式をとる団体である。つまり、法的にスポンサーとなる団体が存在し、その団体の傘下で運営がなされている。スポンサーとなっている団体とは、グローバル・ポリシー・フォーラムというNGOで、IRS(米国歳入庁)が定める501c(3)
というNPOの法人格を持っている。
グローバル・ポリシー・フォーラムは、1993年に設立されたNGOで、グローバライゼーション化の進む世界でその役割が一層重要となってきた国連の政策形成をモニターするために形成された。グローバル・ポリシー・フォーラムの代表は、グローバル・アクション・オン・エイジング代表のスザンヌ・ポールの夫であるジェイムズ・ポールで、グローバル・アクション・オン・エイジングと同じ国連ビルにオフィスを構える。
現在、国連ビルにオフィスを置くNGOは2600団体もある。それでも国連ビルにオフィスを持ちたいNGOはあとを絶たず、現在もキャンセル待ちに名前を連ねる団体は、早くても5年待ちと言われている。国連ビルは、オフィス賃貸料が極端に安いわけではなく、市場価格より少し安めという程度で、メリットは国連へのアクセスだけである。このことは、国連に対して何らかの働きかけようとしているNGOが多いということである。今世紀は、高齢化に関する問題において国連の動きをチェックし、ロビングを強化するNGOの存在がさらに増加していくであろう。
(特派員/溝田弘美)
写真:1995年の国連北京会議以来、初めてニューヨークで再会したスザンヌ・ポール代表と「高齢社会をよくする女性の会」の樋口恵子代表。2003年1月、グローバル・アクションのオフィスにて。
グローバル・アクションHP http://www.globalaging.org/
連絡先
AARPニューヨーク
ボランティアコンサルタント
溝田弘美 (Hiromi Mizota Wimalasiri)
URL:http://www.geocities.com/hiromimw/japan.html
E-mail: hiromimw@hotmail.com
※「ニューヨークのNPO事情」は今回で終わります。
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